小説を読むのが好きです。
本を読むとどんな本でも新しい気づきがありますよね。
林真理子さん著のフェイバリット・ワンを読み終わって衝撃を受けました。
林真理子さんは女のドロドロした感情を書くのが得意…というか持ち味のようです。
フェイバリットワンも、ドロドロした女の子の話でした。
本当、この小説のラストはいろんな意味で衝撃すぎて

という悶々した気持ちになり、他の読んだ人の感想が知りたくて沢山検索しました。
この気持ちを誰かに知ってほしい!ので書いてみます。
読み終わってから知ったのですがフェイバリットワンは雑誌MOREで連載していた小説です。
あらすじ
未読の方のために、あらすじはネタバレなしで書いていきます。
23歳の弱小ブランドのデザイナー 夏帆(あだ名:ナッチ)はそこそこ才能があって
ちょっと可愛くて運が良い女の子。
ナッチが様々な男性と出会って、人生を変貌させていくサクセス?ストーリー。

前半は専門学校の頃の友達とドトールでお茶をしていたナッチですが、自分のブランドを立ち上げカリスマモデルと友達になって軽井沢の別荘でバーベキュー…とどんどん生活を変貌させていきます。
主人公の努力でのし上がっていくと言うより
付き合ってる男の力を使ってのし上がっていくと言うのが正しいですね。
デザイナーの卵・会社の営業部のエース・お笑い芸人・実業家・カメラマンと様々な男性と関係を持ちどんどん自分のいる位置を上げていきます。
最初はデザイナーといってもパリコレを「パクって」いただけで
服に関する知識も浅かったナッチが、引き抜きされてパリのファッションショーを見にいったり
実業家のおじさんに20万以上するワンピースやお小遣いをもらったりした事により自分も何者かになりたい!と服のデザインに情熱を注ぎ始めます。

こうしてブログを書いているのも何かになるため。のような気もしますので。
親友の力を借りて、自分のブランドを立ち上げて徐々に成功していくーー
というお話です。
感想(若干ネタバレあり)
序盤は出てくる登場人物ほとんどが物凄く男女関係にダラしなくてイライラしました…。
主人公のナッチは殆どずーっと2股してるし、本命のお笑い芸人の彼氏には「自分の子供」と言い切れない子供がいる。
なにこのドロドロしたお話!!

芸能人に隠し子が!みたいなニュースたまにありますしね
中盤〜後半は本当に先が気になって引き込まれるようにして読みました。
ナッチが立ち上げたブランドがどうなるか…とか付き合ってるお笑い芸人に捨てられるのでは…?
とかこの先が気になってドンドン読み進めました。
売れっ子お笑い芸人TATUYAの彼女である親友の愛のツテで、TATUYAと仲のいいモデルのカナコのブログに自分のデザインした服を着てもらうお願いをするのですが、
その条件として親友の愛がスマホで撮ったTATUYAの寝顔写真とかを消すように持ちかけられます。
悩んだ挙句、親友のスマホから画像を抜き出してTATUYAに自分の要求を通すのですが…
私は「あーこれ友情壊れるやつ!」と思ったのですが、消された愛は「気づかせてくれてありがとう!」と言うのです。これが本物の友情!親友!
みたいに書かれてるんですが、これには納得いかないですね…。

[box class=”box28″ title=”一番共感できる!って思ったところ”]お笑い芸人達との合コンで、芸人さんたちが他の有名人の噂話ばかりしていて
一緒に働いている人たちの秘密を明かし、それで女の子をいっとき笑わせる。ナッチはそれを卑しいと評価していました。
その卑しい話をしている売れっ子芸人のTATUYAの寝顔を盗撮する愛の心も同じように卑しい
卑しい事をする人は人からも卑しい事をされるんだという部分がありました。
そこにハッとしました。[/box]

私も人の悪口を言ったり、卑しい事はしないように心がけなきゃ…と思いました
ラストは本当に衝撃です。
別れたけど、私は東京で仕事を頑張っていく!みたいな終わり方で良かったんじゃないの?
林先生実は主人公のこと嫌いなんじゃない?って感じがしました。
ナッチは結局どうなったのか……モヤモヤします。
気に入った言葉
どんな小説でも気に入ったフレーズって一つや二つあると思います。
林真理子さんは60歳を超える人生の先輩!
さすがに良いなぁと思う言葉がたくさん散りばめられていました!
- この世の中には、ひとつのものに決められないほど、沢山んお素敵なものが溢れている。
- どんなことに笑うか、と言うことに人間の品位はかかっているのではないだろうか。
- 女の子にとって一番大切な才能は、どんなに嫌なことがあってもひと晩寝たら立ち直ることが出来ること。
- キラキラした人の下にはさ、何十倍もの満たされなくって、自分の夢とは別の道を歩いて行った人がいるんだよ
引用:フェイバリット・ワン 林真理子
キラキラした人の下にはさ〜と言うセリフは、主人公の目から見てほぼ成功者といっていいカメラマンの中谷さんのセリフです。

とか、階級を駆け上がって行く先輩たちの下には下々の我々が……。思ったりしました。
読んだ本はこちら
煌びやかな世界を垣間見れるようで、楽しく読むことができました。
ファッション関係の仕事の人はもちろん出てきますが他にもお笑い芸人やモデル、カメラマンなどいろんな職業の人が出てくるのが面白いです。
そう言う人と関わることないので余計に面白く読めます。
ラストが本当にいろんな意味で衝撃なので、気になった方は読んでみてください!
