2016年6月に映画化して話題だった植物図鑑を今更ですが読みました。
映画では主人公のさやかを高畑充希さんが、同居人の樹を岩田剛典さんが演じられてました。
優しくオタクでスペックの高いイケメンの樹に岩剛典さんはなんだか印象が違うような気がしました。
普段「宮部みゆき」の小説や「精霊の守り人シリーズ」が好きな私は
恋愛小説はあまり好んで読んだりはしないのですが、
今回最初から最後まで引き込まれるようにして読んだのでレビューを!
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植物図鑑 運命の恋、ひろいましたがプライムビデオに追加されました。
いつき役:岩田剛典、さやか役:高畑充希のとっても素敵な映画でしたので、この機会にぜひ視聴して見てください。
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2018年1月12日現在の情報です。
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目次
簡単なあらすじ
OLの主人公さやかが飲み会帰りに、行き倒れているイケメンを拾って奇妙な共同生活を始める話です。
物語の最初の時点でですでにさやかの元からいつきが何も告げずに姿を消していて
ヘクソカズラという花のことを見て、元同居人こといつきとの生活を回想する展開になっています。

さやかの回想で出会いのシーンまで遡る
ある寒い冬の夜、仕事も恋もイマイチうまく行っていないアラサーOLのさやか(映画だと23歳)は
飲み会の帰りに自宅アパートの前で行き倒れている青年いつきを見つけて声をかけます。
行き倒れてもう一歩も歩けないし所持金がないという青年の
[hukidashi name=”いつき” icon=”https://aika-notebook.com/wp-content/uploads/2017/11/fullsizeoutput_2c.jpeg” type=” left beige”]拾ってくれませんか?噛みません。躾のできた良い子です[/kjk_balloon]
という自身を犬に見立てたセリフに大ウケし、酔った勢いもあり家に上げてカップラーメンと、お風呂を提供します。


翌朝さやかが目覚めると、いつきは朝ごはんをこしらえていました。
久々自分のために誰かが作ってくれた温かい手料理を食べて感動するさやか。
出て行こうとする樹をさやかが強引に引き止めて奇妙な同居生活が始まります。

季節ごとに、街から少し離れた所へお出かけし、山菜を採って料る(りょうる)のが物語の主軸。
フキノトウ・フキ・つくし・ワラビ・イタドリ・野いちご・ヨモギ
と色々な山菜を二人で取りに行き、樹が0円の食材から出来ているとは思えない美味しい料理にしてくれます。
最初は全然料理ができなかったさやかも、樹に教えてもらって徐々に料理ができるように!

図鑑を買ったり料理にチャレンジしたりする乙女心がとても可愛らしいですね!

OLの仕事ストレスを描く日常パートに分かれてるよ!
さやかの「樹特性お弁当」をつまみ食いしたり飲み会で絡んで送り狼狙いの同僚や
樹にブランドのハンカチをプレゼントしたさやかの知らないアルバイト先の女の子
など恋愛小説では絶対出て来るようなライバル的な存在も出てきつつ、
さやかと樹は両思いになり幸せな日々を過ごしますが
ある日「ごめん。またいつか」と言う書き置きを残して樹は消えてしまいます。
樹が勝手に出て言ったことに喪失感を覚えるさやか。
季節がどんどん過ぎてついに部屋の鍵と一緒に「待たないでください」と手紙が送られてきても待つさやか。
初めて会った時のような寒い日に、ドアの前に樹が立っていました。
「新しい犬拾っちゃった?」
「ばか!!」

有名華道家の跡取り息子だった樹は、貧乏旅行して逃げていた実家と向き合い、自由になれるように整えてさやかの元へ戻ってきたのです。
誕生日が近いんだよね。と樹は「プレゼントは大それたものがいい。ずっと一緒にいたい」と言い二人は結婚して甘々な感じで物語は終わります。
感想 ほぼファンタジーだけどさやかの心の動きがリアル
男は胃袋で掴めという。それは女にも適用できる理屈なのかもしれない。
就職して一人暮らしを始め、もともと無精だったこともあって生活は荒れていた。コンビニと弁当屋とスーパーの惣菜のローテーション。
そんな毎日に慣れきっていたところへ「自分のために」作られた食事。それは完全な不意打ちだった。
誰かが自分のために作ってくれた「ごはん」はとてもおいしくて、とても温い。引用:植物図鑑
植物図鑑は「料理」と「野草」に焦点が当てられた恋愛小説で野草採取シーンと、料理シーンの描写がとても丁寧です。

樹は紳士的でイケメン。
色が白いからファンデーションは必要ないよ。
とか、可愛い。などナチュラルにさやかを褒めてくれる樹。
さやかが苦手としてる家事を完璧にこなし、倹約家で知らない事を優しく教えてくれる樹。
親が超裕福で、親から反発するために貧乏旅行をして主人公の家の前で行き倒れてた樹。
もうこれ存在全てファンタジーだよね!!!いねーよこんな男!!!はあ!!!!もう!!!!
普通家の前に男が行き倒れてたら警察に電話だよね!!!家にあげるなんておかしいよね!!!
と言うのが素直な感想でした(ひどすぎる)
樹がふらりといなくなってしまった時のさつきの心を描写している文章がとっても良くて、
どんなに悲しくても人間は悲しさで死なない。寂しさでも死なない。
泣き疲れて死んでしまいたいと思ってもいつか泣きやむしお腹も空くし、トイレにも行きたくなるのだ。
失恋なんかじゃ人は死なない。悲しいくらい滑稽に体は生きている。引用:植物図鑑

と思いました……ちょっと失恋した時のこと思い出したよ……
悲しみにくれるさつきの姿を読んでいると失恋した時の自分に寄り添うような感じがしました。
そうそう、どんなに悲しくてもご飯は美味しいし、眠くなるんだよね〜!
立ち直るまでのさつきを、応援したくなりました!
ヘクソカズラをつい探してしまう

物語の冒頭、さつきが「ヘクソカズラ」を上司に説明する所が印象に残りまくっています。
ヘクソカズラの花が、その名前にそぐわないほど可憐で可愛いか。
と言うことが語られています。
ただ私が散歩中に偶然見かけたヘクソカズラは正直そんなに可愛くなくて
こんなもんかぁ。これ雑草だもんね…。と思ってしまいました。
このお花をあんなに褒めちぎられる作家さんの視点・感性ってすごい!
別れる男に花の名をひとつは教えておきなさい。 花は毎年必ず咲きます。
文豪・川端康成の言葉だ。 別れた男の記憶に自分を刻もうということだが、
こんな女々しい名言を遺してくれたおかげで・・・・・罪なき女がこんなところで要らん恥をかくのよ!引用:植物図鑑
この本は読者である私の記憶にも、ヘクソカズラという存在をものすごい刻んできました。
ヘクソカズラを見るたびに私は「植物図鑑」を読んだ事を思い出します。

匂いは嗅いでないので本当に臭いかはわからないんですが……
後ろのページには作中で出てきた山菜料理のレシピが載っていますので、樹とさやかを真似て山菜採り…とまでは行かなくてもスーパーで買ってきた山菜を料ることもできますよ!
「一番好きなパスタがすぐ食べられないようなパスタになっちゃったなんて!」
って思わず言っちゃうほど美味しいと書かれていたノビルのパスタはちょっと食べてみたい。
コテコテに甘い、少女漫画の雰囲気のある恋愛植物小説でした。
失恋した時の主人公さやかの心の描写にとっても共感できます。

映画版の感想
アマゾンプライムビデオに植物図鑑が追加されていたので映画版植物図鑑をみました!
プライムビデオ詳細ページはこちら
2018年1月12日現在の情報です。
さやかが26歳から23歳に変更されていました。
主人公さやかが高畑充希さん、同居人の樹は岩田剛典が演じられています!
最初不思議な夢を見た……という始まるので、樹を拾ったのは夢なのか!?現実なのか!?という感じで始まります。
導入部分は小説部分の方が引き込まれるものがあったなー。

小説版だとさやかとヘクソカズラを見て和やかな会話をしていたのに!!
小説版だと丁寧にさやかの心理描写がされていましたが、映画なのでそういうものは少なかったです。
小説版で樹がいなくなったさやかの悲しみを表現するためか、樹を探してバイト先の同僚の女の子をストーキングして警察のご厄介になったりしていてビックリしました!
原作では出てこないお母さんが出てきたり、だいぶ設定が変わっていますーーー!!

朝ドラのとと姉ちゃんはあまり好きじゃなかったのにメイクや髪型で変わるんですねぇ

幸せパートの幸せ感が爆発しているので、見ているとほっこりします。
でもやっぱり私は小説版の植物図鑑がいいですーー!!
